臨床検査技師なるには?年収・大学・仕事内容まとめ【検査技師が解説】

  • 臨床検査技師になるにはどうすればいい?
  • 臨床検査技師とはどんな資格?
  • 臨床検査技師の年収・仕事内容を知りたい!

こうした疑問にお答えします。

tano

臨床検査技師についての完全版を1記事にまとめてわかりやすく解説しました!
臨床検査技師本人が解説していきます!

とてもボリュームのある記事なので、目次からお好きなところをクリックしてください!

目次

臨床検査技師とはどんな資格?

ネットにはかなりあいまいな情報が多かったので、臨床検査技師本人が当事者目線で解説していきます。

資格は国家資格?試験は難しい、、?

臨床検査技師の免許は国家資格です。免許をもった人しか名乗ることができません。

そして、国家試験の受験資格を得られる専門学校か大学に行って、合格する必要があります。
ただ、国家試験の合格率がやや低いと言われているのが臨床検査技師です。

臨床検査技師には、大学からでも専門学校からでもなることができます。

どちらに行っても最終的なゴールは国家試験の合格です。

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師の仕事は、あまり知られていないことが多いです。

知ってるよ!レントゲン検査の人でしょ!

いいえ、実はこれは診療放射線技師のお仕事です。

臨床検査技師はレントゲン検査を行うことができません。臨床検査技師は、検体検査や生理機能検査をおこなう医療従事者で、全国に約7万人います。

臨床検査技師の専門分野

臨床検査技師の仕事の特徴は、就職する病院によって求められるスキルが変化することです。配属される部署によって分野が異なり、どの検査を専門とするかが変わってきます。ひとことで「臨床検査技師」といっても分野が細かく分かれていて、それぞれ専門性があります。

一般検査

尿、糞便、喀痰、髄液、胸水・腹水、鏡検…

(尿・糞便など手軽で重要な検査を行う、とくに腎機能の評価につよい)

生理機能検査

心電図、換気機能、脳波、筋電図、超音波…
「リラックスして~」「吸って~はいて~」と聞こえてくる、患者さんと直接かかわる検査

生化学検査

生化学、免疫…
(検体も機械も一番多い、あなたが思いつく検査項目のほとんどがここに当てはまるかも?)

遺伝子検査

PCR、FISH、Gバンド…
(特定の遺伝子を同定するための検査、機器が高額なので施設によって充実度に差があるイメージ)

病理検査

標本作成、普通・特殊・免疫染色、鏡検、細胞診…
(検査部とは別室の病理部にある、専門医との関わりが多い)

血液検査

末梢血、止血、末梢鏡検、骨髄像鏡検…
(顕微鏡と過ごす時間が長い、ドクターに意見を求められることも)

微生物検査

分離、培養、細菌・真菌・ウイルス検査…
(感染制御にも携わる、薬剤耐性など薬剤に関する知識も重要)

輸血検査

ABO・Rh血液型、不規則抗体、交差適合試験、自己血輸血、タイプアンドスクリーン…
(検査部とは別室の輸血部にある、責任もやりがいも大きい!)

採血部

採血業務
(専門の検査技師がいる場合や兼任の場合などあり)

tano

私も今でこそ臨床検査技師ですが、大学生になるまでは、採血・生理検査くらいしか知りませんでした。

病院によっては規模や機械・部屋の構造上いくつかの分野が統合されていることがあります。
一般検査+血液検査がセットの場合、一般検査+生化学検査がセットの場合を目にすることがあります。

すきな検査分野を決めておこう

これから臨床検査技師を目指してみたい、臨床検査技師という仕事が気になっているというみなさんに向けてのメッセージとしては、

好きな分野、やってみたい分野がひとつあるといいと思います。

就職活動の時には面接で希望分野を必ず聞かれますし、大学に通う場合には研究室配属があるので、自分の興味・関心がある分野をなんとなくでいいのでひとつ決めておきましょう。人気な分野・人気でない分野はとくにない印象ですが、それぞれ性質がまったく違うので好き嫌いはみんなあります。

臨床検査技師の年収 どれくらい稼げる?

平均年収はいくら?

臨床検査技師って稼げるの?

医師や看護師に比べてイメージしにくいですよね。

臨床検査技師の平均年収は509万円(平均年齢39.8歳)です(令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況より)

あなたが専門学校・大学を卒業してはじめに得られる年収は20-24歳男性330万円、20-24歳女性317万円です。

tano

私が実際に1年目に受け取った年収は323万円でした。参考までに私は大学院卒で、就職先は500床以上の大きな病院でした。

tano

私は2年目には年収が436万円になりました!

就職して1年目と2年目でこれだけ差があるのどうして?

理由は次の2つが大きく影響しています。

  • 当直勤務が1年目後半~2年目にはじまるから
  • 夏のボーナスの対象期間が短いから

1年目の中盤~終盤にかけて当直の研修があることが多く、ここから勤務時間が増えていきます。当直には手当が含まれるので1年目と2年目の給料はかなり違います。

給料の内訳

月収=基本給、特殊業務手当、住宅・通勤手当、危険手当、残業代、日直手当、宿直手当

特殊業務手当・危険手当

毎月一定額あるもので、基本的に変化はありません。医療従事者に至急される手当です。

日直手当

日曜日に出勤した際に与えられる手当です。回数は少ないですが、休院日に働いたときには手当がでます。月1~5回くらいで、病院によって、あるいは人員の過不足によって異なります。

宿直手当

当直に相当します。これも日直と同じくらいの回数で、同じくらいの手当になります。

日当直制度、日勤夜勤制度って?

  • 日当直制:基本的に平日出勤です。当直日は昼から続けてそのまま勤務して翌日朝に帰ります。当直と日直は順番に回ってきます。昼の勤務に続けて働くので、体力的に大変ですが手当が厚めなのが特徴です。
  • 日勤夜勤制:一日を半分にして、たとえば前半(9時から17時程度)後半(17時から翌朝9時程度)に分かれて出勤します。平日や土日は関係なくシフト制です。

土日・夜の勤務はある?

土日・夜勤はあることが多いです。

土日・夜勤の有無は就職活動していれば事前にわかるので、よく確認しておきましょう。

tano

一定の病床数(規模の大きさ)の病院なら、あると思ってください。

残業はある?

残業は基本的に少ないと思っていただいて大丈夫です。

残業になるパターンは次の通りです。

  • 機器のメンテナンスが長い
  • 特殊な検査の測定依頼があったとき
  • とくに大病院で、書類作成などの事務的な業務

実際に働いているとかなり意識的に残業しようとしない限り、残業になってしまうケースは少ないです。

これは午前は外来の検査、午後は院内の検査と分かれているためです。

外来は来院数が不規則で検体数も多いので忙しいですが、院内の検査数は数に限りがあります。したがって午前は忙しく、午後には少し余裕ができます。

また、17時ごろからは夜勤または当直担当者が出勤するので、引き継ぎが終わればあとはバトンタッチです。

臨床検査技師の給料・年収の上げ方

給料の上げ方を検査技師である私が誤解ないようにいうと、ごく一般的な企業の場合と変わらないとお伝えします。いわゆる年功序列の場合が多いです。

資格を取得すれば給料が上がるの?

これについては、すぐに上がる場合の方が少ないです。就職先にもよりますがみなさんの想像しているような1年や2年でとれる資格では給料に変化はありません。

給料が上がることが期待できる、認定検査技師や1級検査技師、細胞診や超音波検査技師といった高レベルの資格はどれも取得に5年以上かかるのが一般的です。

学会に属して、研究発表したり論文を書いたりする必要のあるものもあり、かなり大変です。

こうした資格を取得して給料がすぐにあがる職場もあれば、資格があることをふまえて昇格して給料があがる場合があります。

つまり「昇格」する必要があるので、これは企業と同じですし、そこには勤務年数が大きく影響します。

臨床検査技師を目指す方向けに、「技師長になれば給料があがる!」とする記事をよく見かけますが、部長を目指して!とか、副社長になれば給料が高くなる!と言っていることは同じなので、年収の上げる方法とはいえません。

たとえば年収を、来年から50万円や100万円など飛躍的に上げたい場合は転職に限ります。

ただ、年収のみにこだわらず、検査技師としてのキャリアを考えたときには、資格を取っていくことや、大学院に進学して修士・博士を獲得することはまちがいなくプラスになります。

臨床検査技師の異動・転勤は少ない?

結論から言うと、異動はそれなりにありますが、転勤はほとんどありません。

そもそも小規模な病院やクリニック、検査センターだと、ローテーションになっていて分野ごとに配属されていません。ひとりの臨床検査技師がすべての分野を浅く広く担当するイメージですね。

なので異動も転勤もほとんどありません。

tano

実際には病院や分野ごとに結構違うので、異動や転勤が多くなりがちなパターンを、経験をもとにお伝えします。

これに当てはまらないなら、異動も転勤も可能性はかなり低くなります。

異動の多い分野とよくあるパターン

異動の多い分野として挙げられるのが生理機能検査と生化学検査です。

ただしくは、実際に働いていると、ほかの分野からこの2つの分野への異動が多いです。

生理機能分野

患者さんに直接触れたりする検査が多いことから、男女の検査技師が同じくらい必要です。
職場全体の男女比がそもそも偏っている場合や、男性か女性の検査技師のどちらかが急に必要になると異動になります。

生化学分野

シンプルに人数が必要なので生化学への異動も多くなります。検体数が最大で、機械の数がもっとも多いので、その分メンテナンスも必要です。医師や看護師からの問い合わせも多くあります。検査の一番メインとなるところなので人員を削ることは難しいようです。

tano

私の同期の男性2人は、生理機能の男性検査技師が2人同時に退職した翌年に生理機能検査へ異動になりました。

転勤がある場合

病院の規模が大きく、運営している病院が2つ以上あると、その病院間で転勤の可能性があります。

みなさんも「A病院とB病院は同じ系列らしい」という話を聞いたことがあると思います。

育休や退職で欠員が出た場合に人数を補充する目的で別の病院への転勤が決まることや、教育目的のことも多いです。

tano

実際は、転勤があるほどの大きな病院は限られているので、就職活動するときに簡単にわかります。

そもそも小規模なクリニックや検査センター・中規模程度の病院では、その病院が独立している場合、転勤はありません。自分で転職することになりますね。

臨床検査技師を選ぶメリット

臨床検査技師の道を選ぶと、医療について詳しくなれるほか、進路の選択肢が多いことがメリットです。

メリット1:医療のもととなる、検査値に詳しくなれる

臨床検査技師とは、検査値を得るために機器を扱って測定し、その検査値を臨床へ報告する仕事です。これには、看護師~医師までの一連の流れの中で、とても重要な役割をしていて、そのすべてに精通している必要があります。

薬剤師だから薬のことしかわからないよ、、!理学療法士だからリハビリのことしかわからないよ、、!

こうした思いは、声に出さなくても、実際は多くの医療従事者が抱えています。

臨床検査技師は薬剤に関する知識から疾患の病態・治療方針まで理解しておくべき職種なので、広く知識をつけることのできる(つけなければならない)医療従事者といえます。

メリット2:企業就職の可能性もアリ

就職先が病院に限らず、一般的な企業への就職も多いのが臨床検査技師の特徴です。

みなさんのイメージ通り、看護師や理学療法士・作業療法士は病院就職者の割合が高いです。

高校生の段階で、「医療系に興味はあるけど、病院就職か企業就職か決めていない」学生は検査技師専攻に行く傾向にあります。

大学受験を考えている場合、偏差値順に、臨床検査技師専攻>看護師や理学療法士・作業療法士 となっています。

とりあえず行ってみる!みたいな考えの人も多いからですね。

この「融通の利きやすさ」が臨床検査技師のウリです。

メリット3:大学院進学を考えられる

専門学校卒、大学卒、大学院卒まで広い世代の臨床検査技師がいます。

どちらが良いというわけではなくて、それぞれにメリット・デメリットがありますが、看護師や理学療法士・作業療法士に比べて大学院進学率は圧倒的に高いです。

臨床検査技師の主な就職先6選

病院

多くの臨床検査技師の就職先となるのが病院です。病床数によって病院規模が異なり、臨床検査技師の役割も異なります。大規模な病院では各種検査が専門の臨床検査技師によって担当が分けられており、各分野3~10名程度で構成されています。この分野には、一般検査、生化学検査、微生物検査、遺伝子検査、血液検査、生理検査などがあります。

一方、中・小規模の病院ではすべての検査を全員で担当することがあり、ローテーションによって一通りすべての検査に携わるようになります。

クリニック

ベッド数の少ない小規模な医療機関をクリニックといい、ここでも臨床検査技師が活躍しています。
クリニックでは、検査機器が高額なことから、導入に差があり、需要のある検査機器のみが導入されていることがほとんどです。そのため、数人の臨床検査技師が検査全般を幅広く担当しています。

健診(検診)センター

健康診断に行くと、心電図などをとることがありますが、これは臨床検査技師が担当しています。一度に多くの検査を担当すること、その中の多くが健常人であることが特徴で、疾患の早期発見に寄与したり、スクリーニングの役割をしたりしています。

臨床検査センター

臨床検査センターで活躍する臨床検査技師は、主要な検査項目からマイナーな検査まで広く担当することが特徴です。クリニックではできない検査を依頼されたり、大病院から詳細な遺伝子検査を依頼されたりします。

医療機器メーカー

企業就職の代表的な就職先に医療機器メーカーがあります。メーカーによって主力とする機器が異なるので、詳しくなれる分野が異なるのが特徴です。営業、研究、開発職などになることもあれば、機器のメンテナンスのために実際に病院に行き、臨床検査技師とコミュニケーションをとる場面もあります。4年制大学卒や大学院卒の就職先に選ばれることが多いです。

臨床研究コーディネーター(CRC)

製薬会社などで治験に携わる臨床検査技師もたくさんいます。治験のどの段階を担当するかによって、業務内容は大きく変化します。CRCは被験者の同意を得ることや実際の試験、報告書の作成まで行います。

臨床検査技師の働く姿があまり知られていない理由

臨床検査技師の働く姿があまり思い浮かばない!

こうした声をよく聞きます。私も臨床検査技師の大学に入学するまではあまりピンと来ませんでした。

この理由は「臨床検査技師の仕事場は患者さんの入れない部屋だから」になります。

実は採血や生理検査には、ほんの一部の検査技師しかいません。

どこにいるかというと、

  • みなさんが採血をする椅子に座って奥をのぞくと見えることがあります。
  • お手洗いで採尿カップを提出する窓口の向こう側ですね。

検体検査の部屋では、血液や尿・便などの検体を扱うこと、機器の試薬を管理することから、温度や湿度、換気などがかなり厳重にコントロールされています。

tano

臨床検査技師として働いていると、たまに間違えて患者さんが入ろうとしてしまうことを目にしますが、基本的には医療従事者以外は入れない部屋となっています。

臨床検査技師の仕事場は患者さんの入れない部屋だから、あまり目にすることはなかったんですね

臨床検査技師になるには、専門学校・大学どうやって選ぶ?

はじめに結論ですが、専門学校・大学どちらでも臨床検査技師になれます。

そして、

病院でキャリアを積んでいくことだけを考えるなら、専門学校で十分といえます。

臨床検査技師を目指せる国公立大学ランキング

臨床検査技師を目指せる国公立大学は13大学あります。偏差値順でランキングにすると次のようになります。(スタディサプリ 臨床検査技師を目指せる国公立大学の一覧 より)

大学
共通テスト得点率
前期日程募集人数
学費(初年度納入金)(円)
京都
77%
70人
81万7800
大阪
73%
34人
81万7800
神戸
70%
28人
81万7800
九州
70%
27人
81万7800
東京医科歯科
69%
20人
92万4960
金沢
68%
32人
81万7800
岡山
68%
28人
81万7800
徳島
62%
12人
81万7800
弘前
62%
24人
81万7800
埼玉県立
61%
20人
83万2500~104万4000
香川県立保健医療
61%
10人
73万3200~90万2400
福島県立医科
60%
24人
81万7800~109万9800
愛媛県立医療技術
55%
15人
81万7800~95万8800

入試に関するランキングは次のようになっています。ランキングは偏差値順で、共通テストの得点率を記載しました。

・2023年度の情報をもとに作成しています。
・共通テスト得点率は前期日程の数値です。
・いずれの大学も試験を受ける検定料は17000円です。
・京都大学は人間健康科学科全体の定員数を示しています。
・自社調べのため、参考程度としてください。

共通テストの得点率68%以上のラインから、難易度が大きく上がってきます。
個別学力試験に小論文・作文、面接のみの大学もあるので、共通テストをしっかり対策できれば、合格の可能性が高まります。

国公立大学に行くべきパターン3選

①企業就職を考えている

企業就職を考えている方にとって、国公立大学への進学はおすすめできます。

臨床検査技師の専攻に進む利点は、ほかの医療従事者の専攻と違って、病院就職も企業就職も考えられることです。

企業の就職活動では学歴を評価される場合が多く(ただしくは、何かに向かって努力した経験を評価することがメインで、学歴がそのうちの一つ)、有利にはたらくことが多いです。

「学歴だけでは受からない」時代なのは確かにその通りですが、令和の現在でも「学歴が有利に作用する」時代です。もし、企業就職が選択肢にあるなら国公立大学を考えてみましょう

➁国公立大学に行くメリットが大事だと思う

一般的に言われている「国公立大学に行くメリット」が自分の中で大事だと思うなら進学すべきだと思います。実際、この理由が一番多いと思います。

私も高校生時点で、大学院に進学するか、企業に就職するか決めることができずにいました。

大学に入ってみると同級生たちはみんな、

「大学院に行きたくなるかもしれないし、企業に進みたくなるかもしれないから」

といい国公立大学受験を頑張ったと言います。

他にも、学費が比較的安いことや授業の質のことを考えると、国公立大学に行くメリットは大きいと判断する人は多いです。

単純に国公立大学に行くメリットを高く評価できるなら目指してよいと思います。

➂大学院進学を考えている

大学院進学をする予定の方にとって、国公立大学への進学はおすすめできます。

国公立大学の大学院の方が優秀な先生方がいる場合が多く研究の質が高いこと、大学からそのまま大学院に進学するパターンが多いことが理由です。

大学院に進学する人の多くは、自分のキャリアや学歴をアップデートしたいという考えのもと、ひとつでも上の大学を目指そうとします。

「学歴」は医療従事者にとってあまり関係がないという事実

ここまで、国公立大学に行くメリットについて紹介してきましたが、臨床検査技師になって働き始めると、あなたが「どこの大学出身であるか」は関係のないことに気づかされます。

企業によってはいまだに昇格に学歴が影響していることが多いかもしれません。

しかし、「病院ではまったく学歴は関係ない」と言いきってよいレベルです。そもそも学歴が影響すべきでない職種ですよね。医療人である検査技師は、その分野の専門性と、日々のルーチン業務の正確性(精確性)で評価されます。

病院に就職してからはそういった「出身」にこだわりなく働けるというのもメリットのひとつです。

臨床検査技師の専門学校・大学生活がきつい理由

臨床検査技師になるための学生生活はどこの専門学校・大学とわず、少し大変に感じる方が多いのではないでしょうか。
この理由を2点に分けて解説します。看護師や理学療法士など、ほかの医療従事者の学生と似た生活になるので参考になると思います。

①授業数が多く、実習やレポートに追われる

忙しい理由は「授業のコマ数が多い」ことと、「実習が多い」こと、そして実習後の課題に相当する「レポートが多い」ことにあります。

臨床検査技師などの医療従事者を目指す場合、大学だと4年生の最後の2月に国家試験があります。国家試験には国が定める単位数があり、それをクリアした学生にしか受験資格が与えられません。

そのため、どこの大学に行ったとしても、決められた授業数をこなす必要があるわけです。

大学の先生が決めているのではなく、国が定めた授業数とおよその内容があるので、一般的な文系学部や理工学部よりも授業数は多くなります。

イメージを持ってもらうために簡単な例を挙げると、文系学部生は週3で大学に行き、理工学部生は週4、医療系は週5が平均的でしょう。授業そのものの理由で行かなければならない日数だけ数えると、これくらいになります。

また、空いている時間がなく、授業が基本的につまっているので、時間割や単位数の管理はしっかりしておく必要があります。

ほかの学部なら、ある時期に授業を詰め込んで多くの単位をとり、後期はほとんど大学に行かなくてよくする(バイトやサークルだけに時間を使う時期がある)、みたいなことができます。

医療系学部では4年間それなりに授業がぎっしりあるので、あまり融通がきかないのが難点です。

3年生以降はとくに実習が増えてきます。実習では何かを測定したり、実際に患者さんがいる想定でシミュレーションしたりします。

実習にはたくさんの種類があって、それもその都度テストをしていては大変なので、単位を認定するのに、テストをする先生もいればレポートを提出させる先生もいます。

このレポートがかなり大変で、時間がかかることと、高い評価をとることが難しいことが大変なポイントです。

tano

私はレポートよりテストがよかった派でした。それくらいレポート提出は大変です!

➁空き時間は勉強しないと間に合わない

少し余裕がある時間があっても、医療系学部生は勉強していることが多いです。

これは真面目であるとか、優秀であるとかではありません。

国家試験に向けて、あるいは次の実習に向けて、知識を入れておく必要があるからです。
とくに病院実習では、現場の検査技師さんの時間をいただいて教えてもらうので貴重な体験です。

学生としていったときは、

「きっと迷惑だろうな、、」と思いながら行ってましたし、

臨床検査技師として学生を受け入れる側になると、たしかに

「ちょっと今は学生に時間をつかってあげられないな」と思うことが多々あります。

ここはお互いさまというか、私たちもよく事情はわかっているので工夫してやっています。
そんな病院実習ですが、予習せずに行くとすぐに「この学生は知識ないな」ということがばれてしまいます。

しっかり勉強していって質問することが、現場の検査技師への敬意にもなるので、準備はしていくべきです。

tano

学生生活で少し時間に余裕があるタイミングがあるなら、どうしても勉強することになるのが医療系学部生の毎日でした。

大学4年間のスケジュールをまとめました

臨床検査技師の大学って何年制?

と聞かれることがあります。正解は4年です。6年制なのは医学部医学科と薬学部ですね。

臨床検査技師に限らず、医療系学部の専門学校に行くとおよそ2年で国家試験の受験資格を得て合格すれば臨床で働くことができます。

ここでは4年制の総合大学に検査技師専攻として入学した場合を紹介します。(私立、国立は問いません。)

大学1年生

・一般教養科目(第二外国語や経済学などさまざま)を中心に受ける。
・専門科目が少しある。

大学2年生

・専門科目の座学中心。
・大学内実習もある。

大学3年生

・大学内実習が多い、病院実習は3,4年生に多い。
・後期から次年度の研究室の見学にいき、配属される。

大学4年生

・卒業研究中心。秋ごろまでにほとんど完成させて、国家試験勉強の時間に移行
・夏に大学院入試
・初夏から冬にかけて病院の就職活動がある。
・2月:国家試験

臨床検査技師に向いている人はどんな人?

臨床検査技師に向いている人の特徴3選

「臨床検査技師 向いている人」と検索する人が多いことがわかったので書きましたが、あまり「向いている・向いていない」は正直気にしない方がいいと思います。

①優先順位をつけて作業できる人

優先順位をつけて業務できるひとは、とくに検査技師にピッタリです。

毎日たくさんの検体の測定が同時に進行していき、検体によって測定に要する時間が異なります。また、救急の検体や、すぐに測定しないと正しい結果が得られない検体は急がなければなりません。

機器のエラー音がなったり、先輩に呼ばれたりしても、本当に優先すべきことを考えて動けると間違いも少なくなりますね。

➁検体を大切に扱える人

医師や看護師に比べて、臨床検査技師は検体を実際に手に検体を持っている時間が長いです。

採血管を機械にかけて測定し、ときには採血管のフタを開けて血液を別の入れ物に移すこともあります。日々業務をしていると、あってはならないですが、検体が紛失したり、再測定が必要な検体をそのまま報告したりするミスがあります。

tano

どれだけ慣れてきても、ひとつひとつの検体を丁寧に扱える方を私たち臨床検査技師は必要としています。

➂学ぶ意識の高い人

学ぶ意識の高い人、とくに臨床検査技師の場合は、さらなる資格を目指すことのできるひとが活躍の場が広がります。

臨床検査技師そのものは国家資格ですが、これだけでは何を専門としていて何が強みなのかわかりません。

自分の強みとなる専門分野を見つけられるように、1・2級検査技師、認定検査技師、緊急検査技師、細胞検査技師、超音波検査技師などの上位資格の取得ができるとよいですね。

臨床検査技師に必要ではないスキル2選

①高度なパソコン操作スキル

臨床検査技師にとって高度なパソコン操作スキルは必要ありません。

電子カルテを開くことや、事務作業でパソコンを操作することはありますが、Wordが使えたら十分なレベルです。

専門機器の画面操作は、メーカーごとに異なるので、自分が就職した病院で教えてもらいましょう。
同じ病院でも機器は定期的に変わります。勤務歴が長いベテランでも、途中で機器が変わってしまって、また一から操作を覚えるなんてこともよくあります。

➁営業スキル

臨床検査技師にとって営業スキルは重要ではありません。

むしろ、営業をされる側にあたります。営業特有の技術は必要ありません。医療機器メーカーの機械や試薬を変更するときや、変更直前になるとメーカーの営業がはいるので、丁寧に対応しましょう。ときには大人な対応が必要なこともあるでしょう。

今、向いていなくても心配ない理由

臨床検査技師に向いている人の特徴に当てはまっていなかったり、現時点で自分には難しいかもと考えたりしている方がいれば、ここで全く心配ないとお伝えしたいです。

なぜなら、臨床検査技師の仕事はここ数年、数十年であまりに大きく変化しているので、必須スキルみたいなものはないからです。逆に言えば、このスキルがあれば一生安心なんてスキルもありません

この根拠は非常に明確です。

  • 臨床検査技師は1970年の法改正で正式に誕生し、その地位が確固たるものになったのは2005年に衛生検査技師が廃止されてからのことです。
  • 一方でAIに仕事を奪われるランキングにて、一部の統計では薬剤師と同様に100位以内に入っていたことがありました。

誕生して間もない仕事でありながら、今やなくなると言われているくらいですから、どれだけ短期間に技術が進化して、機器が導入されてきているか分かりますね。

その時々で求められるスキルも変わっていっていますので、今向いていないと感じても心配することはありません。

臨床検査技師になるには?大学院に行く人が多い?

大学院に行くメリット

最大のメリットは就職に有利になることです。

その他のメリットとしては、大学院の2年間で国家試験に出題される以上の内容が学べることです。

現実的な話をすると、専門学校の2年間、大学の後半2年間は、実習や国家試験の対策などでとても忙しいです。
おそらく他学部の人よりも時間に余裕がありません。私も実際にそうでした。

対して、大学院の2年間であれば、やりたい研究テーマを自分の満足するまで取り組むことができます。

大学院に行くデメリット

より高いレベルの学習をしたい、という意識のある「大学院進学」にデメリットという表現はふさわしくないですが、あえていうなら2つあります。

①「就職で有利になるパターン」に該当しない就職先を選ぶ場合

企業に就職する可能性がまったくなかったり、病院就職でもそこまで大きな病院に就職する予定がなかったりすると大学院進学の意義はそんなにありません。

よくある例だと、実家の近くに就職する、結婚を機に病院から病院へ転職するときなどでしょうか。

➁2年分社会にでるのが遅れる

ただ大学院を卒業した私からのメッセージとしては、これをデメリットと感じるべきではないかと思います。

私も就職すると、専門学校の卒業生と同期になり、4年離れた同期がいることになりました。よく考えれば、企業就職した場合にも起こりえますし、転職が多い時代ですから同期の年数がバラバラなことは当然です。

それ以上に自分で大学院生活を充実させれば、これはデメリットにはなりません。

大学院に行くと就職に有利になるパターン

①企業(病院以外)への就職

企業就職を考えている方にとって、大学院就職は間違いなく有利になります。

理由は次の通りです。

  • 大学院での研究発表を経て、パソコンスキル、プレゼンテーションスキル、英語力、ライティングスキルが高まるから
  • こうした能力は、普通に専門学校2年間あるいは大学4年間過ごしているだけでは身につくものではない
  • 企業側の目線でみたとき、医療の知識が秀でている学生よりも、事務的なスキルやコミュニケーションに長けている人の方が即戦力になるうえ、活躍の場所が広い
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私の友人にも、国家試験を高得点で合格した人より、ギリギリで合格したが英語が少しできてパソコン作業が得意な人の方が、大企業へすぐに内定をもらっていました。

➁研究・教育に力を入れている病院・企業への就職

研究・教育に力を入れている病院・企業では大学院卒業生をとる傾向があります。

とくに病院就職の例をお話しします。

  • 大病院は症例数が多いことからまれな疾患に出会うことが多いので、研究に適している
  • 研究などは業務ではなく個々人の意欲で行われますが、こうした研究をする気持ちのある臨床検査技師は大学院出身者に多く、大病院に集まる傾向にある
  • こうして比較的意欲の高い(あえて言うなら学歴の高い)臨床検査技師が大病院に集まります。

教育についても同様で、認定検査技師や1・2級検査技師といった上位資格を志すにあたって、環境が整っているのはやはり大病院です。

大学院に行く人の多くはキャリアの意識が高く、こうした上位資格を目指す方が多いです。

以上、「臨床検査技師なるには?年収・大学・仕事内容まとめ【検査技師が解説】」でした!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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