- 臨床検査技師国家試験の合格率を知りたい!
- 臨床検査技師国家試験は難しいの?難易度はどれくらいだろう?
- 臨床検査技師国家試験に合格できる対策方法を教えて!
こうした質問にお答えします。
臨床検査技師として約700床の大病院で働いてきました。
国家試験勉強の経験を活かして、わかりやすく解説していきます!
臨床検査技師国家試験の合格率
2023年の合格率は77.6%でした。過去10年を見ても70%~80%程度に落ち着いています。
2023年
|
2022年
|
2021年
|
2020年 | |
合格率
|
77.6%
|
75.4%
|
80.2%
|
71.5%
|
受験者数(人)
|
5002
|
4948
|
5115
|
4854
|
合格者数(人)
|
3880
|
3729
|
4101
|
3472
|
合格率が低い3つの理由
他の医療従事者国家試験より合格率が低い理由は3つあります。
①丸暗記では答えられないから
1つ目の理由は、
出題内容に体内動態やメカニズム、写真問題が多く、丸暗記では対応できないからです。
問題はすべて選択式で「正しいものを1つ選べ」または「正しいものを2つ選べ」といったものから誤っているものを選ばせる問題もあります。
また、選択肢には普通に勉強していては出会わないような用語が紛れていることがあります。その単語を知らなくても解けるようになっている場合が多いので、気にせず解答しましょう。200点満点で約120点、すなわち6割で合格です。解かせる気のない問題が数問含まれていることに注意しましょう。
②大学院進学者が多いから
2つ目の理由は、大学院に進学する学生が医師や看護師に比べてかなり多いからです。
大学院への進学が国家試験の勉強に手を抜いてよい理由にはなりませんが、
看護学生や医学科学生は、国家試験に合格できないと就職ができませんので、必ず合格する必要があります。実際、国家試験よりもずっと前(半年ほど前)に病院の就職先は決まっているので、試験に落ちるわけにはいきません。合格率が90%でも低いといわれているくらいです。
③企業就職者が多いから
3つ目の理由は、企業就職を考える学生が多いからです。
医療従事者の学部生として大学で学んでいても、臨床検査技師は技術職や開発職など活躍できる場所が広く、病院就職にとどまりません。
医師や看護師のほとんどが病院に就職することに対して、
これもまた、国家試験の勉強に手を抜いてよい理由にはなりませんが、企業就職するなら資格自体がなくても就職はできるので勉強時間を確保できない学生が一定数存在しています。
臨床検査技師国家試験おすすめ過去問題集・テキスト
ここでは臨床検査技師の私や同級生が実際に使ってよかった、合格できたテキストを紹介します。
臨床検査技師国家試験解説集 Complete+ MT
国家試験を受ける学生に大人気のシリーズ!図がカラーで見やすく、イチオシです!
最大の特徴は、勉強の効率の良さです。
多くのテキストは、インプット→解いてみる→巻末に解答解説といった形式ですが、Complete+ MTは「解いてみる→すぐ下に解説が書いてある」になっています。
つまり、過去問をまずやってみて、間違えてしまったなら同じページの下に書いてある解説を読み、正解できたなら次の問題に進むことができます。サクサク進めたい方にピッタリです。
また、図や写真を参照しながら出題される問題の多くが、図や写真は別冊になっている場合があります。別冊だと、ページの往復が大変ですが、「Complete+ MTでは同じページで完結」しています。
臨床検査技師国家試験問題注解 2024年版
過去問集の王道!解説量も多くてボリュームがあります
臨床検査技師国家試験対策といえば、この1冊です。1ページが縦に2分割されていて、問題のすぐ下に解説があります。
基本的にカラーではないですが、辞書並みの分厚さで、『1冊ですべて網羅するぞ!』という方にはおすすめです。
臨床検査技師国家試験問題集 解答と解説 2024年版
国家試験対策の定番!どこの大学生協に行っても売られている人気の1冊
どこの大学の購買部でも見かける学生に御用達の過去問題集です。使っていた同級生からも好評で、初学者におすすめの1冊です。
臨床検査技師国家試験に合格できる対策方法
臨床検査技師の国家試験受験勉強は、長いスケジュールになるので、計画的に進めるとともに、勉強法が大きくずれないようにしたいですね。
過去問をくり返す
国家試験の対策で人気なテキストのほとんどは過去問をベースに構成されていますので、それを1冊買ってやりこめば、それが合格への最短ルートです。
どれだけ優秀な人が考えた予想問題でも本物の「実際にでた問題」にはかないません。
それに、
過去問は二度と出ないわけではなくて、繰り返し出題されます。←コレ、本当に大事です!
医療業界のトレンド・時事問題から数問出題されますが、トレンドを追うことはあまりに大変ですし、それが必ず当たるとも限らないので、堅実に過去問に取り組みましょう。
すべての分野をまんべんなくやろうとしない
臨床検査技師の国家試験では分野によって、点数配分や難易度、重要度が大きく異なります。
すべての範囲に取り組むことは大切ですが、強弱をつけて取り組まないと間に合わなかったり、知識が偏ったりしてしまいます。
- 公衆衛生学や医用工学論、医動物学は配点が低くかつ勉強時間もかからないので、後回しにするかあるいは先に取り組んでしまうか工夫するべきです。
- 臨床化学、臨床生理学、病理組織細胞学、臨床血液学、臨床微生物学、臨床免疫学は重要度も高く、時間もかかるので優先的に取り組んでおきたいです。
- 臨床化学は病院で勤務し始めてからも、「知っていて当然」の風潮があるので、どの分野に所属する予定かに関わらず100%もれなく学習しましょう。
- 臨床微生物学については、優先して取り組むべきですが、覚えることの量がほかの科目に比べて極端に多いので、かなり計画的に取り組む必要があります。
模試を活用する
専門学校や大学で実施してくれるところが多いですが、模試は受けておきましょう。
「どこの模試がいい!」といろいろと噂はありますが、筆者がいくつか受けたところではどれも役立つ模試ばかりでした。
臨床検査技師国家試験の概要
試験日
令和6年2月14日(水)
試験会場
北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
試験科目
医用工学概論、公衆衛生学、臨床検査医学総論、臨床検査総論、病理組織細胞学、臨床生理学、臨床化学、臨床血液学、臨床微生物学、臨床免疫学
合格発表日
令和6年3月21日(木)
(厚生労働省 臨床検査技師国家試験の施行)
試験時間と合格点数
午前と午後に分かれています。午前・午後ともに2時間30分の試験時間が与えられます。
1問1点の200点満点、120点(60%)以上で合格です。
試験時間 | 合格基準点数 | 満点 |
午前・午後それぞれ150分 | 120点 | 200点 |
まとめ
臨床検査技師国家試験の合格率を中心に解説しました。
臨床検査技師国家試験は合格率が80%程度と、難しいことで知られていて、多くの勉強時間がかかります。この記事が、問題集選びや勉強計画の一助になれば幸いです。
みなさんの合格を応援しています。
以上、「臨床検査技師の国家試験の合格率は?対策を合格者が徹底解説します!」でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コメント